2017/08/02

祝詞語彙26

万葉集巻第一より

【二十八番歌】

春過ぎて 夏来たるらし 白たへの 衣干したり 天の香具山

〇らし……推定の助動詞。

【補足】

「らし」は確かな理由や知識をもとにして、未知のことを推定する助動詞。
 本歌では「白たへの衣干したり」が理由にあたる。香具山に白い衣を干すようになるのは夏になってから、つまり春のうちは干さないということになる。
 現代の感覚からすると、春のうちでも衣を干せるのではないかと思ってしまうが、一説にこの衣は、香具山で行われた春の祭に奉仕した巫女のものだという。春の祭が終わるとすぐに夏が到来するのだと、古代の大和盆地の人は感じていたわけである。

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