2017/05/26

延喜式祝詞とは

問 このブログでよく延喜式って出て来るけど、それって何なんですか?
答 延喜式の「延喜」は1100年ほど前、平安時代中頃の元号です。今は「平成」だけど、その頃は「延喜」だった。その時代にできた法律です。

問 神社の法律があったんですか?
答 朝廷では当時、神祇官(じんぎかん)というお役所があったくらいですし、色々なお祭りをしていました。また、全国の神社の神様に、幣帛(へいはく)という贈り物をしたり、伊勢の神宮に斎王(いつきのみこ・さいおう)と呼ばれる皇族の女性が遣わされていました。このように、朝廷が色々な面で神道に関っていたので、決まりが必要だったんですね。

問 延喜式は神道関係の法律なんですか?
答 全50巻のうち最初の10巻だけが神道関係です。つまり、他の40巻は神道関係以外、現在の政府やお役所関係の法律です。

問 なぜ「式」ってついてるんですか?
答 「式」は細かいところまで決められた法律という意味で、つまり現代の「施行細則」です。神祇令(じんぎりょう)という決まりがあったんですが、これには大ざっぱなことしか書いていないので、延喜式のような細かい決まりが必要だったんです。

問 その「神祇令」は何で「神祇式」じゃないんですか?
答 「令」はこんにちの行政法で、また別なものです。同じくこんにちの刑法に当たる「律」と合せて、「律令」という言葉を聞いたことはないでしょうか。ちなみに、延喜式のうちの神道関係分、最初の10巻を「神祇式」ということがあります。

問 じゃあ延喜式祝詞って、何ですか?
答 その延喜式の巻八に祝詞がいっぱい書かれていて、それを総称して延喜式祝詞と言います。延喜式にある祝詞、ということですね。これを略して「式祝詞」、また「祝詞式」とも言われます。

問 混同しそうです。
答 細かいところでは言葉の使い方が違うんでしょうが、まあ「式祝詞」も「祝詞式」も同じようなものです。正確に使おうとするのは、学者さんだけじゃないでしょうか。

問 なぜ延喜式祝詞は重視されているのですか?
答 まとまった形のものとしては、最も古い祝詞がいっぱい詰まっているからです。それに、時代が下っても延喜式の祝詞を勉強して祝詞を作る人が多かったんです。今でも、神主になるために勉強しているとき、この祝詞を勉強します。

問 祝詞はいくつあるんですか?
答 27編です。長いものからほんの数行のものまで様々、漢文体で書かれた呪文のようなものもあります。

問 延喜式祝詞の勉強って、どんな感じですか?
答 先生によって多少異なるでしょうが、高校古文の時間に近いと思います。

問 独学で勉強するとしたら、どんな点に注意したらよいですか?
答 最初の祈年祭祝詞が非常に長いものなので、挫折しやすいです。短い祝詞からアトランダムに勉強した方がよさそうです。

問 延喜式祝詞を勉強して、今祝詞を作るのに役立ちますか。
答 立ちます。平安時代における宮廷のお祭りのものだから役に立たないという人がいますけれど、そんなことはありません。そういう人は、ちょっと変えれば現代の祝詞になる、と言った祝詞が役に立つものだと考えているのかもしれませんね。

問 延喜式祝詞には、古い言葉が残っているんですよね。
答 そうです。とはいえ、古い語彙ということでは、奈良時代前後の宣命(せんみょう・天皇のご命令)の方に、より古いものが残っているような気がします。

問 延喜式中のものより古い祝詞はないんですか?
答 祝詞の範囲をどう考えるかにもよるのですが、延喜式より先にできた「弘仁式」「貞観式」の中にも祝詞があります。ただ、それらは他の書物で引用される形でしか残っていませんし、内容も延喜式の祝詞とそう変わりません。

問 今、入手可能な延喜式祝詞はありますか。
答 「延喜式」なら図書館に行く方が早いと思いますが、祝詞だけを読むなら大きめな書店に置いてある、祝詞の本にのっていることがあります。また、国会図書館のデジタルコレクションのページでも、PDFファイルで入手可能です。

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