百物語 第七十五夜
寺で遊ぶ
※怪談です。苦手な方はご注意ください。
わたしには兄がいたんですけれど、四歳のときに死んじゃったんです。
その頃、わたしは生まれてすぐだったんで、後になって母から聞いた話なんですけれども。
当時、お葬式がたまたま続いて葬儀屋さんの手配ができなかったんです。
しかたないので、じぶんの家で全部やろうってことになったそうです。
ああ、田舎なんです。
わたしの実家があるのは。
葬儀屋さん……町にひとつしかなくて。
それで、伯父がお寺に連絡をとろうって電話したら、
「ああ、○○さんですか……お子さん、どうかなさいましたか」
「え……どうしてですか」
「さっきまで、本堂の前で遊んでたんですよ。ひとりで……まだ小さいし、ひとりでくるなんて変だって思ってたんです」
死んだっていったら、電話口の相手もびっくりしてたって。
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