2017/04/07

清少納言と三管

 神社の祭典において、雅楽が奏されることがあります。雅楽で使用される主要な楽器を総称して「三管」ということがあって、篳篥・鳳笙・龍笛のみっつ。いずれも管楽器のためこの総称があります。

 他に雅楽で使用されるおもな楽器には、三鼓と総称する太鼓(たいこ)、鼓(かっこ)、鉦鼓(しょうこ)があり、さらに弾物として琵琶(びわ)、箏(そう)があります。

 この三管について清少納言は『枕草子』でこんなことを言っています。まず篳篥から。

篳篥は、いとかしがましく、秋の虫をいはば、轡虫などの心ちして、うたて、け近くきかまほしからず。

 篳篥(ひちりき)は超うるさい! 秋の虫に例えるならさあ、クツワムシに似てる。不愉快だよ、近くで聞きたくない。

 篳篥は小さい縦笛のような形状。清少納言の言うことからすると何だか取り付く島もありませんが、これは下手な人が吹く篳篥のことであります。

 つづいて鳳笙。

笙の笛は、月の明きに、車などにて聴き得たる、いとをかし。

 出ました、十八番の「いとをかし」。清少納言の決め台詞です。月が明るいとき、牛車の中で聴きつけるといいなあと思う。ずいぶん篳篥と扱いが違います。

 龍笛はどうでしょうか。

笛は、横笛、いみじうをかし。

「いみじうをかし」ですよ。「いみじう」がつきました。よっぽど好きなんですね。横笛はもちろん龍笛のことです。篳篥は縦ですが、龍笛は横なんです。

 篳篥はそれだけ難しいということかもしれませんが、どの楽器でも初心者のうちははた迷惑なのを気にして練習しなければならないのも確かで、清少納言が聴いた篳篥の音も、初心者が練習していたのかもしれませんね。

0 件のコメント: