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2017/05/31

昔の神職資格「学階」

 神社本庁の神職資格は、これを「階位」と総称しています。上から浄階、明階、正階、権正階、直階と五つありますが、戦前の神職資格である「学階(がっかい)」においては、三つだけでした(ただし大正10年以降)。

 今日の階位では、だいぶその意味が薄れているようですが、学階は神職の学識を表示するものでした。順に、

 学正
 司業(1等、2等)

 の三等級で、大正10年より前は学正には5、司業には8つの等級がありました。
 
 授与する機関は皇典講究所。

 検定試験あり。

 学正、司業ともに試験科目は、

 道義
 国史
 国文
 法制
 祭式
 
 の5科目。
 ただし、学正には口述試験が課せられます。

 この検定試験、学正は年一回、皇典講究所本所にて、司業は年二回、同本所および分所にて行われました。

 合格すると学正は奏任待遇、司業は判任待遇の神職として採用されることができます。判任官は官吏の中で最も下ですが、奏任官は高等官の扱いです。
 
 ちょっと前に昔の神主の話をしましたけれど、今日はもう少し詳しく説明します。

 まず、でっかい神社は「官国幣社」と総称されますが、今日は省略。

 小さめの神社の方は「府社」「県社」「郷社」「村社」「無格社」「それ以外の神社」に分かれます。
 
 そうした小さい神社の神主は「社司(しゃし)」「社掌(しゃしょう)」と言います。

 社司であれば、上にあげた小さめの神社すべての管理者になれます。社掌の方は、村社以下であれば神社の管理者になれます。
 
 今、神社の管理者(というより責任者ですが)はたいていの場合、宮司と言いますけれど、昔は宮司がいるのは官国幣社だけでした。

 また、社司と社掌=今でいう宮司としたいところですが、社掌の中には府社・県社や郷社に、社司の監督のもと神職として勤めていた方もいましたので、イコールで結べないのです。

 さて、冒頭に戻りまして、当時の神職資格、学階でいうと、

 学正……でっかい神社に勤められる
 一等司業……社司になれる
 二等司業……社掌になれる

 と、言えます。

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