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2019/05/19

即位礼・大嘗祭関連の祝詞の語句

 こんにちは。本日の北見市相内町、暑いです。きのうは最高気温28度にまでなり、今日も予報では26度。夏日になりそうです。ちらほらお見えの参拝者さんが皆、いつのまにか薄着になっているところにも、季節を感じることができます。

 参道上の木の梢ではアオサギの雛の鳴く声が、いちだんと高まっています。夜目のきく鳥ですので、夜も鳴いています。あまり夜間参拝する方はおられないと思いますが、びっくりされませんように。当神社の参道上で夜鳴いているのは、ほとんどがアオサギです。

【今日の記事、おおざっぱにいうと】
▼即位礼や大嘗祭に関わる祝詞を書くときに使用できる語句をご紹介。
▼昭和の即位礼・大嘗祭関連の祝詞から祭祀の目的、祈願を示す語句をあげる。
▼最後に、上の語句を用いた辞別祝詞の一例をあげた。

このところ祝詞のことばかり書いておりますが、興味の方向が祝詞に向かうのでしょうがありません。今日は即位礼や大嘗祭について祝詞で言及するときにどんな語句があるのかを、きのうの記事でご紹介しました昭和度の祝詞の中から、ご紹介します。

目的の語句

祭祀の目的を示す部分をまずあげます。文中の日付は、今次即位礼と大嘗祭の月日に改めてあります。また、【  】内は即位礼と大嘗祭のどちらに言及しているのか、またその一連の語句がいつ使用できるのかを示します。

 下記でいつでも使用可という言い方はしていますが即位礼、または大嘗祭当日は、今日の生日の足日に今日の生日の足日の朝日の豊栄昇になどが穏当ではないかと思います。各語句の( )内の数字は、この記事の末尾に示した祝詞につけた番号と一致しています。

【即位礼・大嘗祭、いつでも使用可】
今年の十月二十二日を良月の良日と撰び定めて、皇御孫命の天つ日嗣、高御座に即(つ)き給ふ大御典(おほみのり)を行ひ給ひ、十一月十四日を以ちて、大嘗祭を行ひ給ふによりて(①)

【大嘗祭、いつでも使用可】
天つ神の御子の随に高天原に事始めて、遠皇祖の御代・御代、天皇御子の生れ坐さむ弥継継に、天下知ろし食し来る次と、今年の十一月十四日を以ちて大嘗祭を行はせ給はむとす。かれ……(②)

【即位礼、いつでも使用可】
十月二十二日、神随も遠皇祖の御代・御代、弥継継に知ろし食し来る次第と、天つ日嗣、高御座に坐して、食国天の下知ろし食す大御典(おほみのり)を行ひ給ふがゆゑに(③)

【大嘗祭当日】
高天原に事始め給ひて、皇御孫命は豊葦原の瑞穂の国を安国と平けく知ろし食して、天つ御饌の長御饌の遠御饌と、万千秋の長五百秋に斎庭の瑞穂を聞し食せと事依さし奉り給ひし随に、食国天の下知ろし食す大御代の始の大御典(おほみのり)と、今日の生日の足日に天皇命の大嘗聞し食すに依りて(④)
※傍線部を今年十一月十四日などに換えれば、大嘗祭当日でなくても可能

【即位礼・大嘗祭とも日にちに言及、いつでも使用可】
天皇命は天つ神の御子随らも高天原に事始め給ひて、遠皇祖の御代・御代、天皇御子の生れ坐さむ弥継継に天の下知ろし食し来る次第と、十月二十二日の日に天つ日嗣、高御座に即(つ)かせ給ふ大御典(おほみのり)を行ひ給ひ、十一月十四日の日に大嘗祭を行ひ給へるに依りて(⑤)

【大嘗祭当日】
食国天の下知ろし食す大御代の始の大御典(おほみのり)と、今日の生日の足日に、天つ御饌の長御饌の遠御饌と、天皇命の大嘗聞し食すに依りて(⑥)
※傍線部を今年十一月十四日などに換えれば、大嘗祭当日でなくても可能

祈願の語句

つぎに、祈願の語句をあげてみます。【 】内は祈願の語句のおおまかな内容。この中から適宜、取捨選択して「~給ひ、~給ひ、~給へと恐み恐みも白す」とすれば、まず失敗することはありません。ただし取捨選択するとはいえ、【大御代の安寧や繁栄、皇位安泰】の中から必ずひとつ、語句を選ぶことになります。

【大御代の安寧や繁栄、皇位安泰】
・天皇の大御代を手長の御世の厳し御世に護り幸はへ給ひ(①)

・天皇の大御代を茂し御代の足らし御代に護り幸はへ給ひ(②)

・天地日月と共に遠く長く、万代に大坐し坐さしめ給ひ(③)

・天皇命の大御代を厳し御代の足らし御代に天地日月の共、無窮(とこしへ・とこしなへ)に立ち栄えしめ給ひ(④)

・皇大御神の見霽し坐す四方の国は、天の壁き立つ極み、国の退き立つ限り、青雲の靄(たなび)く極み、白雲の墜居(おりゐ)向伏す限り、青海原は舟の艫(へ)の至り留まる極み、陸路は馬の爪の至り留まる限り、狭き国は広く、峻しき国は平けく、遠き国は八十綱打ち懸けて引き寄することのごとく依さし奉り給ひ、幸はへ奉り給ひ(⑤)

・天皇命の大御代を手長の大御代と、ゆつ磐村のごとく立ち栄えしめ給ひ(⑤)

・天皇命の大御代を堅磐に常磐に斎ひ奉り、厳し御代に幸はへ奉り給ひ(⑥)

・豊明(とよのあかり)に明(あか)り坐さむ天皇命の大御代を、万千秋の長五百秋に聞し食さしめ給ひ(⑦)

【守護・神助・繁栄】
・親王等・諸王等を始めて、食国天の下の国民に至るまで、長く平けく護り恵み幸はへ給ひ(③)

・親王等・諸王等を始めて、天の下の国民に至るまで、撫で給ひ、恵み給ひ(⑥)

・天皇が大朝廷を始めて、天の下の国民に至るまで、弥高に弥広に五十橿八桑枝の如く立ち栄えしめ給ひ(⑦)

【奉仕】
・天皇が大朝廷に五十橿八桑枝のごとく立ち栄え、仕へ奉らしめ給ひ(③)

【四海の平穏】
・天の下、四方の国安く穏ひにあらしめ給ひ(①)

【各祭儀等の無事斎行】
・大御礼(おおみゐやわざ)障ることなく、漏るることなく、遂げ行はしめ給ひ(①)

定め坐しし日月に大御礼(おほみゐやわざ)を安く穏ひに遂げ行はしめ給ひ(②)
※即位礼や大嘗祭当日の場合、不可。当日ならば傍線部をとる。

辞別祝詞の例

いまご紹介した目的・祈願の語句から、一例として辞別祝詞をつくってみます。実作の際に調整、加除されることを踏まえ、ただつなげたものを示すだけにとどめます。

辞別きて白さく、【目的】今年の十月二十二日を良月の良日と撰び定めて、皇御孫命の天つ日嗣、高御座に即(つ)き給ふ大御典(おほみのり)を行ひ給ひ、十一月十四日を以ちて、大嘗祭を行ひ給ふによりて、【祈願】天皇の大御代を手長の御世の厳し御世に護り幸はへ給へと、恐み恐みも白す

辞別きて白さく、【目的】天皇命は天つ神の御子随らも高天原に事始め給ひて、遠皇祖の御代・御代、天皇御子の生れ坐さむ弥継継に天の下知ろし食し来る次第と、十月二十二日の日に天つ日嗣、高御座に即(つ)かせ給ふ大御典(おほみのり)を行ひ給ひ、十一月十四日の日に大嘗祭を行ひ給へるに依りて、【祈願1】天皇の大御代を茂し御代の足らし御代に護り幸はへ給ひ、【祈願2】天皇が大朝廷を始めて、天の下の国民に至るまで、弥高に弥広に五十橿八桑枝の如く立ち栄えしめ給へと、恐み恐みも白す

参考にした祝詞 ※リンク先は当ブログ内の記事です

大嘗祭期日決定につき皇大神宮・豊受大神宮大御饌供進祝詞
大嘗祭期日決定につき皇大神宮・豊受大神宮奉幣祝詞
即位礼当日皇大神宮・豊受大神宮祝詞
大嘗祭当日皇大神宮・豊受大神宮大御饌供進祝詞
神宮親謁の儀・皇大神宮大御饌供進祝詞
大嘗祭当日宮司祝詞
大嘗祭当日幣帛供進使祝詞

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